北の丸には、北陸の古民家から取り寄せた木材や、ヤマハの銘木といった貴重な素材が随所に使われています。
それらの多くは、今では手に入らない希少なものばかり。その木々が持つ独特の風合いが、北の丸全体に温もりと重厚感を与えています。
特別な存在、ロビーのバーカウンター
その中でも際立つのが、ロビーに設置されたバーカウンター。実はこのカウンター、葛城ゴルフ倶楽部・宇刈コース13番ホールに立っていた1本のマツから生まれました。
このマツは落雷により倒れてしまいましたが、捨てられることなく3つの形で新たな命を吹き込まれました。
1本の木を3分割し、ひとつはロビーのバーカウンターに、ひとつは玄関の上がり框に、もうひとつはロビー正面の一枚ガラスの窓に面したカウンターとして再利用されています。
それぞれが異なる場所でその存在感を放ち、北の丸の空間を彩っています。
手間を惜しまない美しさの秘訣
しかし、この木材の美しさを引き出すためには、大変な努力が必要でした。マツは特にヤニを多く含むため、糠袋を使って毎日磨き続けたのです。
この手作業を繰り返すことで、やがてヤニが出なくなり、現在のような美しい光沢が生まれました。その手間と時間が、カウンターに特別な深みを与えています。
北の丸で感じる「木」の物語
北の丸にご来館の際は、ぜひロビーのバーカウンターにもご注目ください。ただの家具ではない、木々の歴史と職人の手仕事が織りなす特別な空間を、きっと五感で感じていただけるはずです。
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